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2010年 01月 24日

August Burns Red / Constellations

夜9時ぐらいを過ぎてから、会社のなかで同僚とする無駄話って面白いじゃないですか。夜も更けてきたなか、残業中にダラダラとする無駄話には、いつもより3割増しぐらいの面白さがあるような気がします。

まだ僕が東京の制作会社で働いていた頃、いつものように皆で残業して、これもまたいつものように仕事から無駄話にシフトしていったのですが、ふと「どんな異性がタイプか」というコンパとかでありがちな話題になりました。
個々「そうね~例えば~」と話していくなか、同僚の既婚女性が「音楽でも映画でも文学でも美術でも何でもいいんだけど、なにか一つ強い興味を持っている人が良い」と。

残業中にグダグダ話すのなんて毎日のことだったし、その日のやりとりも詳細はさっぱり覚えてないけど、このひと言だけは「なるほどな」と思えて、今でも強く印象に残っている言葉だったりします。

同僚が挙げていた音楽や映画や文学を括るとすれば「芸術」です。で、その芸術に人々が集う理由とは、僕は内省であると思うのです。

今日はそんな前振りでAugust Burns Redを取り上げます。

■ August Burns Red / Constellations

b0166043_4303190.jpgAugust Burns Redは、アメリカ出身の5人組のメタルコアバンドで、去年出た「Constellations」が3枚目のアルバムになります。
僕は前作「Messengers」からアルバムを聴きだしたのですが、前作はいかにもハードコア畑出身と思わせるブレイクダウンが曲の随所に出てきていたので、メタル+ハードコアのお手本というか、メタルコア見本市のようなアルバムだな、と個人的には思っていました。(ただし、クオリティはめちゃめちゃ高い)

もし仮に「メタルコアってどんな音?」と聞かれることがあれば、真っ先に名前を上げたいアルバムというか。

それに比べると新譜「Constellations」は、特徴的なブレイクが少なくなって、よりメタル寄りな内容と思います。ギターの泣きっぷりは相変わらずなので、胸を張ってメロデスファンにもお薦めできる良盤です。ヘタにクリーンボイスを入れたりしていないのも、個人的にはプラス。(Between the Buried and MeのVoがクリーン声でゲスト参加しているけど、これはあまり嵌まってないかな)

で、動画は新譜からシングルカットされたこちらを。メンバーの演奏してるフリがちょっとダサい…という気もしますが、これ↓を聴いて燃えない奴は男じゃねえ!!



前作に収録されている「Back Burner」もめちゃめちゃカッコいいので合わせてこちらからどうぞ

そして話は冒頭の「芸術と内省」に戻る訳ですが、このAugust Burns Redって、こんなマッチョなお兄ちゃんがゴリゴリの音鳴らしておりますが、実は敬虔なクリスチャンなのであります。
と、ここで彼らの信仰を持ちだしたのは、信仰の是非やカテゴリとしてのクリスチャンロックを語るためではなくて、この力強い音が薙ぎ倒そうとしているのは他人じゃなく、内なる自己であるということの最も分かりやすい例と思ったから、です。(隣人愛を信仰する人間が、他者への攻撃性をおおっぴらなステイトメントとして出すはずがない)

人々が芸術に集う理由をさっきは「内省」とひと言で書きましたが、もうちょっと突っ込んで書けば、「良く在りたい理想」と「実際の自己」の距離、ギャップなんだと思っています。自己との距離を測り、ギャップを埋めようとするところにこそ芸術への発露がある…のだと思っています。
もちろん今はファッション・外向きな理由で映画や音楽を楽しむ人もいますが、内省を出発点とする人とは明らかに対象に向き合う深さが違う。

30半ばを迎えたいいおっさんが「自己嫌悪」云々言うのもどうかと思うけど、August Burns Redのように、内にいる自己をボコスカ蹴り上げてくれるバンドや音楽というのはいつになっても僕にとっては大事。そして、これこそが芸術なんだと思います。
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by zakiryo | 2010-01-24 04:38 | Death / Gothic


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