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カテゴリ:Post Rock( 5 )


2010年 01月 10日

65daysofstatic / One Time for All Time

だいぶ遅くなってしまいましたが、新年明けましておめでとうございます。こちらのおまけ音楽ブログも、引き続き今年も宜しくお願い致します。

さて。2010年1回目のエントリーは65daysofstaticです。新譜が3月?に出るだか出ないだか、らしいので、今取り上げるのはタイミングとして不正解ではありますが、最近mixiのコミュニティにポストされていた新曲のライブ動画を見て、うむむ、やっぱりこのバンドは凄いな、と。

で、改めてYoutubeでライブ動画漁ったら、やっぱり65daysofstaticは凄かった。

■ 65daysofstatic / One Time for All Time

b0166043_6542456.jpgこのバンドが紹介される時、必ず言われるのが「Mogwai meets Aphex Twin」という形容でして、両者を知っている人であれば、ほぼそれで説明がつくポストロックバンドです。(轟音ポストロックにアタックの強いブレイクビーツが載るって感じ)

ポストロックって日常の揺らぎを越えた、ある種「宗教的」とも言える空気感があるじゃないですか?(とここは強引に話を進めます)

65daysofstaticは、数多犇めくポストロックシーンの中でも特に、一瞬にして、そして軽やかに神々しいまでの空気感を作り出す力を持っています。このバンドの手にかかると、日常から非日常へのスイッチが一瞬にして切り替わる。

新入社員研修で「政治と宗教には触れるな」と真っ先に言われる通り、音楽のレビューで「宗教的」とか「神々しい」とか書くのも如何なものかと思う反面、こういう動画↓を見ると、僕の貧弱な語彙ではそれ以外に当て嵌められる言葉が見つかりません。

このRadio Protectorは、徐々に曲の熱量が増していく、このバンドでは珍しい路線の曲だけどドラムが炸裂してからの展開が圧巻。



ただ、返す返すも3rdアルバムの出来は残念なんですよね。サウンドプロダクションのしょぼさが雰囲気を根こそぎ殺してて。新譜出す前に、3rdを別のエンジニアで作り直して欲しいくらいだわ。
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by zakiryo | 2010-01-10 06:55 | Post Rock
2009年 08月 02日

mouse on the keys / Sezession

人は誰でも年を重ねるにつれ、いろいろと嗜好は変わっていくものですが、僕の場合は「シンプルであればあるほど良い」という気持ちが年々強くなってきている気がします。

それは音楽に対しても同様で、30歳前後から、それまでは見向きもしなかったtoeやMogwaiのような、歌を伴わない所謂「ポストロック」スタイルに強く惹かれるようになりました。

今回紹介するmouse on the keysも、そんなポストロック / マスロックにカテゴライズされる、シンプルであるがこその力強さをもったバンドです。

■ mouse on the keys / Sezession

b0166043_417859.jpg「Sezession」は、toeが運営するMachupicchuというレーベルから出た1st miniアルバムで、「toeのレーベルから出た」というのでほぼ説明がついてしまうぐらいtoeと「音の目指す先」が似ている。(細かいことを言えば、mouse~の方がマスロックっぽいけど)

元々、ドラムとキーボードの2人組だったのが、新たにもう一人キーボードが加わって3人体制となって初めて出した音源でもあります。ギターがいない代わりにキーボードがいる、っていうギターレス編成はたまに聞くけど、キーボード2人にドラム1人ってかなり珍しいような。(因みに、2人目のキーボードの人が加わるまで、ドラムの人が片手でドラムを叩いて、もう片手でキーボードを弾いていました。それも凄い…)

ということで、動画は「Sezession」の1曲目「最後の晩餐」をどうぞ。ドラムがかっけー。



シンプルで凛々しく、そして美しい。続けてるECサイトも、そんな風でありたい。
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by zakiryo | 2009-08-02 04:18 | Post Rock
2009年 05月 18日

ISIS / Oceanic

人であれば誰しも「何をやっても上手くいかない」時期というのがあるかと思います。で、そんな辛い時期をどうやって乗り越えるのかは、人生をやりくりしていく上で最も重要なことかもしれません。

旅に出たり、友人や恋人と過ごしたり、買い物に行ったり。人によって、その乗り越える・やり過ごすための方法は違うと思うのですが、僕の場合は、こんな音楽をお供に内省の旅路を行きます。

■ ISIS / Oceanic

b0166043_1223428.jpgISISは、アメリカ出身のポストロック~スラッジバンドで、今回ピックアップするOceanicは2002年発表の2ndです。

前回のtoeと同じ、基本的には歌を伴わないポストロックスタイルとは言え、ベースにあるのはメタル~ハードコアのへヴィネスだし、これといってキャッチーなメロディがあるわけでもないので、ポストロックのなかでもより敷居の高い音だと思います。
僕にとっても気軽に毎日聴くようなアルバムではないのですが、ただ、冒頭に書いたような辛い時期に聴くと、この音が物凄く嵌る。

楽曲やメロディのポピュラリティって、いわば他人との共感や繋がりを求めるがこその要素だと思うのですが、ISISの場合、その他人との共感を徹底的に排除して、ひたすら自己との対峙に没入するような音なんですよね。



他人からどんな批判を浴びようと、どんなに結果が出ないとしても、自分で自分自身の行為を肯定できるのであれば、いかに辛い状況であろうと自分を支えていけると僕は思っています。
つまり、辛い状況だからこそ、内を省みて、自己の批判に耐えうる行為を積み重ねなければいけないのだと。

ISISのアルバムを聴いて、ISISと聴き手の間に共感や繋がりは生まれないと思います。ベン図で表せば、2つの円が重なる領域は生まれないといいますか。

ただ、共感はなくとも、苦境に佇むそれぞれの円に内なる強さを与えてくれる、海原に射す光芒のような稀有なアルバム。名盤です。
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by zakiryo | 2009-05-18 01:25 | Post Rock
2009年 05月 13日

toe / the book about my idle plot on a vague anxiety

「人は、内なる微弱な電流を強めなくてはならない」

かなり昔なのですが、司馬遼太郎がテレビでそんな感じのことを言っていました。
「さすが作家は上手い表現するなあ」と今でも印象に残る言葉なのですが、その「微弱な電流」を音楽で表現するのが、日本が世界に誇るインストゥルメンタル/ポストロックバンド、toeです。

■ toe / the book about my idle plot on a vague anxiety

b0166043_4562889.jpg以前、Mogwaiのエントリーで取り上げたポストロックですが、さらに細かく見ればそのMogwaiに代表される轟音系であったり、TristezaやThe Album Leafのようなアンビエント系であったり、te'のようなパンキッシュな路線であったり、実に様々なアプローチが見られます。

そんななか今回取り上げるtoeは、そのいずれにも当てはまらない独特の、繊細でストイックな音像です。
轟音炸裂!ドカーン!みたいなのって、恐らく作り手からすれば楽な面もあると思うんですよね。それで楽曲としての起伏や山場は作れる訳だし。「う~ん。困ったから取りあえずここで轟音」っていうような。

対してtoeは、繊細で流麗な音のレイヤーを丁寧に丁寧に重ねて曲を作り上げています。地味な方法論だけに、それは即ち制約条件でもあるだろうし、このスタイルで曲を作るのってすげえ大変なんじゃないかと思います。既知感というか、以前に似た感じになってしまうことも多いだろうし。(そしてそれをバンド自身が良しとしないから、なかなか作品が発表されないんだと思う)



音圧はこんなにも低いのに、鳴る音はどこまでもストイック。

今回動画を張った「Tremolo+delay」のみならず、the book~に収録されている楽曲は、どれも同じように地味な手法で、とっても印象的なフレーズを作り出す素晴らしい出来栄えです。

司馬遼太郎が「強めよ」と諭した微弱な電流。
toeは、その電流と正対するからこそ作れるものがあるんだ、という証明だと僕は思っています。
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by zakiryo | 2009-05-13 04:57 | Post Rock
2009年 03月 20日

Mogwai / Happy Songs for Happy People

音楽を楽しむにあたって、「歌」は大きな要素です。

カラオケなんて行ったら、それこそ歌メロがほぼ100%と言っても過言ではない訳ですし、もちろん「詞」によって揺さぶられる感情もあります。
繰り返しですが、音楽にとって「歌」というのは、本当に大きな要素です。

にも関わらず、いつしか歌のない「ポストロック」と呼ばれる音楽を聴いて、歌が載る音楽以上に深く感動している自分がいました。正確には、歌がないからこそ得られる感動を知覚できるようになった、というか。

Mogwai / Happy Songs for Happy People

b0166043_15314174.jpgポストロックと呼ばれるジャンルのなかでも、特に「轟音+美メロ」という公式を確立させたMogwaiは、まさに第一人者というべきバンド。

僕は、4th「Happy Songs for Happy People」からリアルタイムで聴きだしたので、思い入れもこのアルバムに一番強く持っています。(全体的な楽曲の出来から言えば、次の「Mr.Beast」ですが)

と、「轟音+美メロ」と説明を書いておきながら全く「轟音炸裂!」という感じではないので、Mogwaiをネタに書くエントリーに相応しい曲ではないのですが、ただ単純に「僕が好き」ということでこの曲を。




なんとも救いのない内容のビデオですが、実のところ僕らが暮らす世界だって同じようなもんなんですよね。

Mogwai含め、ポストロック勢が奏でる音には、ポジティブとかネガティブとか、人がまず下す皮相的な価値判断が一切ない、と僕は思っています。そして、だからこそ良いんだと思うのです。主観を越えて「ただ在る」ことと、ときに残酷なまでの事実と誠実に対峙しろ、と。

「Travel is Dangerous」とか適当な曲名が多いMogwaiですが、「Happy Songs for Happy People」というのは結構本気で付けたタイトルなんじゃないかと思わせる、「ただ在る」事実と対峙する人々に向けた、幸福な1枚。
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by zakiryo | 2009-03-20 15:35 | Post Rock