Tidal Wave

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2009年 04月 26日

Kingston Wall / Kingston Wall II

アーチストが活動を終える理由としては、解散に次いで「死去」が多いのではないかと思います。Jimi Hendrixしかり、Nirvanaしかり。アーチストの生き方や思想までを思い描きながら聴くリスナーにとっては、最も辛い理由ですね。生きてさえいれば、また再結成とかもあり得るのに。

今回ピックアップするKingston Wallも、中心を担っていたVo&Gu Petri Walliの自殺によってその活動を終えた悲運のバンドです。

■Kingston Wall / Kingston Wall II

b0166043_03180.jpgKingston Wallはフィンランド出身のHRバンドなのですが、このアルバムのジャケットからも分かる通り、中近東を連想させるメロディがあったり、サイケデリックな展開も多かったりと、ちょっと通好みと言いますか、敷居の高いプログレッシブな音楽性ではあったのですが、不思議と聴いていて飽きない魅力も備えていたように思います。「II」の1曲目、「We Cannot Move」とかは物凄くキャッチーな曲ですし、時に物凄く泣けるフレーズを挟んできたり。

元Dizzy Mizz LizzyのTimもこのバンドからの影響を公言していて、確かにソロになってから彼のアルバムに収録されたサイケデリックな曲では、Kingston Wall…というか、Petri Walliの影響をモロに感じさせます。
日本では、ゼロ・コーポレーションからカタログ3枚とも日本盤が出たとは言え、特に話題になることもないまま、Petri Walliの訃報を聞くことになってしまいましたが、本国周辺では結構な人気があったようです。(因みにゼロ・コーポもその後訃報を聞きましたね…。切ない)

で。このバンドのアルバムから1曲を、ってことなら僕にとっても初めてのきっかけとなった「We Cannot Move」かなと思うのですが、今の心境的に今回は「Shine on Me」のライブをどうぞ。約7分もあるけれど、このバンドの場合は長ければ長いほどいい気がします。



ライブでは、尚更良いギターを弾く人だったんですね。Petri Walli。

今回動画を探してみても、活動期間の短さや残したアルバムの少なさから想像できないぐらい沢山の動画がポストされていて、今に続く根強い人気と、その人気を作り出した唯一無二の魅力を知りました。
最後の作品となった「III:Tri-Logy」も素晴らしい内容だっただけに、Petri Walliの早すぎる死は、返す返すも本当に残念。
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by zakiryo | 2009-04-26 00:03 | HM / HR
2009年 04月 19日

Clutch / Pure Rock Fury

最近よく「○○大学の学生が大麻所持で逮捕」などなど大麻絡みのニュースを聞きますが、Sex, Drug, Rock'n Rollと言われるように、ロックと大麻も色々と接点があったりします。

で、ドラッグ類を大別した時、気分が上がるものと下がるものに分かれるそうなのですが、大麻(ガンジャとも呼ばれますね)は気分が下がる(Stone)ことから、大麻吸いながら聴くと気持の良いロックを「Stoner Rock」と総称するようになりました。

当然僕にはその呼び名に共感するための実体験はなく、「そうなんだー」ぐらいにしか思わないのですが、Stonerと呼ばれるロックがめちゃめちゃカッコいいのは分かるのです。

■Clutch / Pure Rock Fury

b0166043_3215428.jpg今回ピックアップするClutchも、そんな「Stoner Rock」と呼ばれるバンドの一つで、グルーヴの鬼と言いますか、フィジカルな粘り腰で聴き手をバキバキと薙ぎ倒していく、三国志で言えば張飛みたいなバンドです。(我ながら的確な例えだわ…)

まあ、「汗臭そう…」「加齢臭きつそう…」といった点も張飛っぽいんですけども、そんなおっさんだからこそのカッコ良さもあるんだぜ、ってことを証明する、おっさん達の希望の星。

ドラムがリズムを刻んで、ギターがリフを弾く。
それだけで他のバンドとは比肩し得ないグルーヴを生み出すのは、本当に職人芸の域です。



グルーヴと加齢臭でむんむんしてるけど、滅茶苦茶カッコいい。
ビデオの構成としては、ただバンドが普通に演奏しているだけの画なのに、その演奏そのものがカッコいいという。まさにPure Rock Fury。僕もこんなおっさんを目指そう。
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by zakiryo | 2009-04-19 03:27 | 70s / Stoner
2009年 04月 18日

Madonna / American Life

まだ東京の制作会社で仕事をしていた頃、絵に描いたような「ストレス買い」で片っぱしからCDを漁っていたことがありました。
当時、通勤で新宿と渋谷という2大消費地を必ず通っていたので、「ちょっとHMV寄っていくかな」的に、バカスカ手当たり次第に買うという愚かな消費行為。(当時のHMV渋谷店は、閉店時間が深夜12時という、びっくりドンキーみたいな営業をしていたのも思い出深い)

で、Madonnaの「American Life」も、僕にとってはそんな時期に出たアルバムです。
それまでMadonnaのアルバムをまともに聴いたこともなく、例えば「ノリがいい」とか、「メロディが泣ける」とか、CDを買うときにあるはずの「惹きつけられる理由」も無いまま、「発売されたから」という理由だけで購入しました。
レジを済ませてお店を出る時、「俺はMadonnaの新譜に何を求めてるんだろう…」と思ったのを今でもよく覚えています。(だったら買うな、って話なんですが)

■Madonna / American Life

b0166043_2115878.jpgまあ、そんな適当な調子で購入した訳ですが、実際に聴いてみたら、これがとっても良い内容なのです。内省的で、暗くて。
「Die Another Day」のようなフロア向けチューンや政治色の強い曲もありますが、でもアルバム全体を覆うのは、内省的でパーソナルな歌の数々。普通にしんみりと聞き入ってしまうような、とても良いアルバムでした。
自分の体を利用してのし上がった経緯であったり、Eroticaあたりの「なんじゃこりゃ」感であったり、人物そのものにあまり良い印象を持ってもいなかったけれど、このアルバムを聴いて、思慮に満ちた人なんだな、と思うようになりました。

ただ、この前後に発表されたアルバム(「Music」「Confessions on a Dance Floor」)と比べると、セールス的にはかなり劣る結果だったみたいで、今となってはあまり表だって取り上げられることもないのが寂しいかぎり。
Confessions~って、Hung Upだけじゃねえか、とか思うけど。海外だと、こういう内省的な内容って受けないんですかね。(って書いていて「日本ではどうなんだろう?」と思って、HMVやAmazonのレビュー見てみたら絶賛コメントばかりでひと安心)


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by zakiryo | 2009-04-18 02:37 | POP
2009年 04月 17日

Edge of Sanity / Purgatory Afterglow

原田知世とEdge of Sanityを同じ感覚で聴いている人が、果たして日本に何人いるのか分かりませんが、とにかく今回の主人公はEdge of Sanityです。

1994年のメロデス勃興に大きく寄与したEdge of Sanity…というか、Dan Swanoとこのアルバムは、大袈裟でなく、この後のエクストリーム・ミュージックに多大な影響を与えた超重要な一枚なのです!

■Edge of Sanity / Purgatory Afterglow

b0166043_1531822.jpg80年代のLAメタルに代表されるように、HMって実はそんなにへヴィでもメタルでもないんですよね。
で、硬派な方々が「とにかく速くてへヴィな音楽を!」と、アンチテーゼとしてデスメタルは生まれてきたと思うのですが、如何せん音楽としての起伏に乏しく、また何だか知らないけど音質が悪いほどカッコいいみたいな風潮もあったりで、アンダーグラウンドから脱却できぬままに時は過ぎていたのですが、そこにメロディックなリフとソロを持ち込む、という一大発明がなされました。そうして生まれたのが、Melodic Death Metal、略してメロデスです。

メロデスが世界的な広がりを見せたのは、94年に今回取り上げるEdge of Sanityや、Dissection、In Flames、Dark Tranquillity、Amorphisなどなどが、一般メタルリスナーにも(主に音質面で)耐えうる作品を発表したのが契機かと思います。(Burrn!でも、この年にメロデス特集が初めて組まれたはず)

当時は「デス声」すら表現手法としてまだ一般的ではなかったので、「デスメタルにメロディックなギターが載って…」云々、活字でメロデスの説明を読んでもいま一つイメージ出来ずにいたのですが、そんな疑問に一発回答を突き付けるのが、「Purgatory Afterglow」の1曲目「Twilight」。
クリーンヴォイスで朗々と歌い上げて始まったかと思ったら一転、メロディックなリフとデス声に突入…と「これぞメロデス」な名曲なのです。

で、この「Twilight」はビデオがないので、同じアルバムからこちらも名曲の「Black Tears」をどうぞ。



曲は最高だけど、ビデオは最低の出来ですね…。
ただ、後にドイツのメタルコア番長Heaven Shall Burnや、Eternal Tears of Sorrowなんかがこの曲をカバーしていることからも、やっぱみんなこのアルバム聴いて影響受けたんだな、って思います。このリフは後世に残りますな。

そしてこのバンド絡みでもう一つ思い出深いのが、先ほどもちらっと書いた94年のB!メロデス特集に載った、Dan Swano(Vo、Gu)のインタビューです。
「なんでこのスタイルになったの?偶然?」という質問に対して、「違う。明確な意思を持ってこのスタイルをやっている」と答えていたのが、物凄く印象に残っています。
その当時、多くのメタルバンドはグランジっぽいスタイルを新しく入れては、浅はかな売れ線狙いになり果てるパターンが多く、さらにインタビューで「グランジっぽい?いやいや偶然だよ!」と嘘っぽいことを言っては消え去っていっており、それだけにDan Swanoの強い意志を含む言葉は本当に印象的だった。

そう考えると、Edge of 「Sanity」なのも意識してのことなのかな、とこれは勝手にですが、思っています。
なんつーか、「Insanity」の方がメタルっぽいじゃないですか?でも「Sanity」としたところに、Dan Swanoのインタビューと同じ「コントロールすることへの強い意志」を感じるというか。

ただ、この「Purgatory Afterglow」が後世にも残るような名盤だっただけに、アルバム1曲40分という実験的な次作「Crimson」を最後に、この時の布陣がバラバラになってしまったのが悔やまれます。
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by zakiryo | 2009-04-17 01:56 | Death / Gothic
2009年 04月 15日

Stone Temple Pilots / Purple

今ではネットさえあれば、音源を視聴することも購入することも簡単に出来ますが、僕の高校~大学時代にそんな便利なツールはなく、新しい音を聴くのも、そしてその音源を購入するのも本当に大変でした。

当時の情報源と言えば、TVKで放送されていた伊藤政則の番組やキャプテン和田のFMとかで、特に伊藤政則の番組はビデオに録画して、気にいった曲があれば繰り返し巻き戻しては楽しんでいました。

そんな巻き戻し回数No.1だった曲が、Stone Temple Pilotsの2nd(Purple)に収録されている「Interstate Love Song」です。

■Stone Temple Pilots / Purple

b0166043_0382656.jpgNirvanaの「Nevermind」を高1の時にリアルタイムで経験した僕ら世代にとっては、Stone Temple PilotsもNirvana同様にグランジの代表格バンドとして認知されていると思います。Paerl Jamとか、Soundgardenとかと同列で。(Stone Temple Pilotsは、ややフォロワー扱いだったかも)

って、正直に言うと、バンドやこのアルバムにそれほど強い思い入れがある訳ではなかったりして。(アルバムには、結構タルい曲も多いし…)
ただ、とにかく「Interstate Love Song」は飛びぬけて好き。




このビデオクリップ探していたら、アコースティックライブの映像もあったのですが、こっちもすげえいいです。Scott Weilandって良い歌を歌う人だったんだなあ。

*******

最後にちょっとだけ告知。
自分で運営しているオクルココロというECサイトで、グリーンアスパラの販売を開始しました。
アスパラは春野菜の定番ですが、販売している押谷農園のアスパラはスーパーで見るアスパラとは全然違います!

…どう違うのか、詳しくはオクルココロにて。
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by zakiryo | 2009-04-15 00:38 | Alternative
2009年 04月 07日

原田知世 / I could be free

僕が住んでいる北海道も、いよいよ春めいてきました。
で、春っぽい日に聴きたくなるのがこのアルバム。原田知世の「I could be free」です。

■ 原田知世 / I could be free

b0166043_2182543.jpg女優さんが音楽活動しているのってどこか片手間な印象があったり、特に原田知世の場合はデビュー当時の「時をかける少女」のあまりにもヤバい歌唱力もあったりで、歌い手としての評価が著しく低いような気がしています。

でもね。ちゃんと聴いてみると、これがいいんです。なかでも1997年に発表された「I could be free」は、カタログ中でも1・2を争う佳作。(HMVのレビュー見ると絶賛の嵐です)

97年と言いますと、Cardigansに代表される北欧ポップス全盛期で、「I could be free」も北欧の名プロデューサー、トーレ・ヨハンソンが関わった作品です。
シングルカットされたこの「ロマンス」なんかは、軽やかなリズムに色鮮やかなブラスが乗る、北欧ポップスど真ん中な曲ですね。



あ~春だわ。執拗なまでのVoハーモニーも素晴らしい。

ただ、アルバムを通して聴くと、こういったベタい曲ばかりではなく、タイトルトラック「I could be free」、「LOVE」、「Are You Happy?」、「燃える太陽を抱いて」などなど内省的な楽曲も多く、そのバランスが個人的にとても気に入っていたりします。作詞は本人が手掛けているとのことですが、綴る詞から察するに誠実な人なんだな、って思いますね。歌い手として、もっともっと評価されてほしい。
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by zakiryo | 2009-04-07 02:21 | POP
2009年 04月 05日

The Anniversary / Your Majesty

人々は、喪失や断絶にこそ集う。
多くの人が思春期に知る、人と人の間に横たわる深い溝こそが、創作と共感の源泉だと思うのです。例えば、The Anniversaryのアルバムみたいに。

■ The Anniversary / Your Majesty

b0166043_19252183.jpgEMOとカテゴライズされるバンドのなかには、パンクと近い勢いのある曲をメインにするバンドも多いのですが、The Anniversaryは、ミドルテンポの曲に切ない男女Voのメロディが乗る、冒頭に書いた喪失感、断絶感をとても強く感じさせる、EMOど真ん中なバンドです。
特にキーボードを兼ねる女の子のVoハーモニーがとにかく切なくて良くて、なんかもう、Shadow in youthとしか形容できない切なさ。

例えば、恋愛の過程でネガティブな出来事が起こった時。
誰もが感じる、言葉にできない「あの感じ」が、このアルバムではメロディとなって歌われているというか。

バンドは残念なことにこの「Your Majesty」を2001年に発表後、解散をしてしまったのですが、今もし再結成をしてアルバムを作ったとしても、同じような喪失感ややりきれなさを楽曲に込めることはできないと思います。それだけこのアルバムには、人生のある一時期しか持てない感情と瞬間が詰まった、EMOの名盤です。



今回のエントリーを書くために改めて調べてみたりしたのですが、発売当時に購入して、いつも聴き続けてきたアルバムなので、もう8年も経っていたのかと驚きました。
と同時に、8年聴き続けても摩耗しないメロディの力を再認識した気がします。個人的には、歴史に残るべき名盤として猛烈にプッシュしたい1枚。
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by zakiryo | 2009-04-05 19:30 | EMO