Tidal Wave

zakiryo.exblog.jp
ブログトップ

<   2009年 05月 ( 5 )   > この月の画像一覧


2009年 05月 24日

The Blankey Jet City / Red Guitar and the Truth

札幌では今、ライラックが満開です。
北海道では比較的あちこちで目にすることのできるライラックですが、なにぶん30代音楽オタクなので、花としての存在よりも、ライラックと聞くとまずThe Blankey Jet Cityを連想してしまう悲しい性。

ということで、今回はThe Blankey Jet Cityをピックアップしたいと思います。

■ The Blankey Jet City / Red Guitar and the Truth

b0166043_662836.jpgイカ天出身のバンドとしては孤高というか特異というか、どこまでの男臭いニヒリスティックなロッカビリーバンドで、本人の楽曲にも出てくる「不良少年の歌」っていう表現が本当に似合う、良いバンドでした。
良くも悪くも、世間のマジョリティとは異なる価値観を貫き通したからこそ、このバンドは成功したんだと思います。(もしクラスメイトにいたとしたら、絶対仲良くはならないタイプだけど)

個人的に、そのイカ天期から3枚目ぐらいまでをめっちゃ聴いていたので、どうしても初期の楽曲に思い入れがあるのですが、「Cat was dead」とか「僕の心を取り戻すために」とか「ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車」とか、全キャリアを見渡しても初期の楽曲にこそ、彼らが貫いた価値観が色濃く出ているような気がします。



うわー。これ高校時代めっちゃ思い出す…。けど、やっぱカッコいい。

バンドは2000年に解散し、Vo&Guの浅井健一は、その後何名義で何枚のアルバムを出しているのか最早誰も分からないような状況ですが(いくらなんでも出し過ぎ)、Blankeyを聴くと、時に自分の価値観を貫くことの大事さを思います。
[PR]

by zakiryo | 2009-05-24 06:07 | Alternative
2009年 05月 18日

ISIS / Oceanic

人であれば誰しも「何をやっても上手くいかない」時期というのがあるかと思います。で、そんな辛い時期をどうやって乗り越えるのかは、人生をやりくりしていく上で最も重要なことかもしれません。

旅に出たり、友人や恋人と過ごしたり、買い物に行ったり。人によって、その乗り越える・やり過ごすための方法は違うと思うのですが、僕の場合は、こんな音楽をお供に内省の旅路を行きます。

■ ISIS / Oceanic

b0166043_1223428.jpgISISは、アメリカ出身のポストロック~スラッジバンドで、今回ピックアップするOceanicは2002年発表の2ndです。

前回のtoeと同じ、基本的には歌を伴わないポストロックスタイルとは言え、ベースにあるのはメタル~ハードコアのへヴィネスだし、これといってキャッチーなメロディがあるわけでもないので、ポストロックのなかでもより敷居の高い音だと思います。
僕にとっても気軽に毎日聴くようなアルバムではないのですが、ただ、冒頭に書いたような辛い時期に聴くと、この音が物凄く嵌る。

楽曲やメロディのポピュラリティって、いわば他人との共感や繋がりを求めるがこその要素だと思うのですが、ISISの場合、その他人との共感を徹底的に排除して、ひたすら自己との対峙に没入するような音なんですよね。



他人からどんな批判を浴びようと、どんなに結果が出ないとしても、自分で自分自身の行為を肯定できるのであれば、いかに辛い状況であろうと自分を支えていけると僕は思っています。
つまり、辛い状況だからこそ、内を省みて、自己の批判に耐えうる行為を積み重ねなければいけないのだと。

ISISのアルバムを聴いて、ISISと聴き手の間に共感や繋がりは生まれないと思います。ベン図で表せば、2つの円が重なる領域は生まれないといいますか。

ただ、共感はなくとも、苦境に佇むそれぞれの円に内なる強さを与えてくれる、海原に射す光芒のような稀有なアルバム。名盤です。
[PR]

by zakiryo | 2009-05-18 01:25 | Post Rock
2009年 05月 13日

toe / the book about my idle plot on a vague anxiety

「人は、内なる微弱な電流を強めなくてはならない」

かなり昔なのですが、司馬遼太郎がテレビでそんな感じのことを言っていました。
「さすが作家は上手い表現するなあ」と今でも印象に残る言葉なのですが、その「微弱な電流」を音楽で表現するのが、日本が世界に誇るインストゥルメンタル/ポストロックバンド、toeです。

■ toe / the book about my idle plot on a vague anxiety

b0166043_4562889.jpg以前、Mogwaiのエントリーで取り上げたポストロックですが、さらに細かく見ればそのMogwaiに代表される轟音系であったり、TristezaやThe Album Leafのようなアンビエント系であったり、te'のようなパンキッシュな路線であったり、実に様々なアプローチが見られます。

そんななか今回取り上げるtoeは、そのいずれにも当てはまらない独特の、繊細でストイックな音像です。
轟音炸裂!ドカーン!みたいなのって、恐らく作り手からすれば楽な面もあると思うんですよね。それで楽曲としての起伏や山場は作れる訳だし。「う~ん。困ったから取りあえずここで轟音」っていうような。

対してtoeは、繊細で流麗な音のレイヤーを丁寧に丁寧に重ねて曲を作り上げています。地味な方法論だけに、それは即ち制約条件でもあるだろうし、このスタイルで曲を作るのってすげえ大変なんじゃないかと思います。既知感というか、以前に似た感じになってしまうことも多いだろうし。(そしてそれをバンド自身が良しとしないから、なかなか作品が発表されないんだと思う)



音圧はこんなにも低いのに、鳴る音はどこまでもストイック。

今回動画を張った「Tremolo+delay」のみならず、the book~に収録されている楽曲は、どれも同じように地味な手法で、とっても印象的なフレーズを作り出す素晴らしい出来栄えです。

司馬遼太郎が「強めよ」と諭した微弱な電流。
toeは、その電流と正対するからこそ作れるものがあるんだ、という証明だと僕は思っています。
[PR]

by zakiryo | 2009-05-13 04:57 | Post Rock
2009年 05月 10日

Silversun Pickups / Carnavas

20代前半までに聴いていた音楽って、その後の期間とは比べ物にならないぐらい時間と深く結び付くような気がします。なので必然的にこのブログでも90年代~00年代初頭のアルバムが多くなるのです。

で、音楽を作る側の人にとったら、その年代に聴いた音楽が、作る音に反映されるのもまた必然なのかとSilversun Pickupsを聴いて思うのです。

■Silversun Pickups / Carnavas

b0166043_46543.jpgメジャーレーベルから満を持して登場!という訳ではなく、インディーシーンでじわじわと売り上げを伸ばして注目を浴びたこのバンド。
音を聴けば誰しもがSmashing Pumpkinsの名前を口にする、90年代にオルタナを聴いてきた人間にとってはど真ん中な音を鳴らしています。(きっとこれもみんな言うと思うけど、ベースが女性ってのもスマパンルールですよね)

ただ、「まんまスマパンじゃん」ってのは決してマイナスの要素ではなくて、咀嚼と再構築が抜群に上手い。彼らと同年代に、同じようなオルタナミュージックを聴いてきた人間からすれば、思わず「そうそう!」と膝を打つ音だと思います。

少なくとも僕は、この「Well Thought Out Twinkles」をCDショップで視聴してレジ直行でした。



冒頭のリフとスネアのアタックで、もう勝負ありって感じですよね。このバンドは、ドラムが特にカッコいい。
今年出た新譜からシングルカットされた曲を聴いたけど、変わらずカッコよかったです。

*******

このエントリーの冒頭に書いた「20代前半まで」っていう時期は、まあ、いろいろあるじゃないですか。受験であったり恋愛であったり就職であったり。
20代も後半を過ぎると、いつの間にか何事にも要領を掴んで、海の底まで悩むことも悔やむことも少なくなって、傍にある音楽の浸透度もそれ以前に比べれは落ちてくるような気がしますが、その、20代前半までの苦しい時期を、場所や状況は違えど、同じような音楽を聴いてなんとかかんとか生き抜いてきたってのは、世界規模で多くの人と共有できる財産だと思っています。

「同時代性」とかって書いてしまうとそれで終わっちゃうけど、Silversun Pickupsを聴いていると、僕はそんな不思議な連帯感を感じるのでした。
[PR]

by zakiryo | 2009-05-10 04:07 | Alternative
2009年 05月 03日

RCサクセション / イエスタデイを歌って

RCサクセションのVo、忌野清志郎が死去とのこと。去年のフジロックを直前にキャンセルした以降、全く情報を聞いていなかったなかでの訃報で、またひょっこり復活してどっかのフェスにでも出るんだろ、と勝手に思い込んでいたこともあって、ただただ驚きました。58歳なんてやっぱ早いよなあ…。

洋楽を聴きだす前の中学時代、RCサクセションをめちゃめちゃ聴いていたことがあって、彼らの代表曲といえば「雨上がりの夜空に」とか「スローバラード」なんだろうけど、個人的には初期のフォークっぽい曲の方が好きでした。
訃報を聞いて、このエントリーも初期ベストを聴きながら書いているのですが、「宝くじは買わない」とか「イエスタデイを歌って」とかは、忌野清志郎の独特の声が映える本当に良い曲。(両曲ともに動画がなかったので、今回は「2時間35分」をどうぞ)



とにかく、お疲れさまでした。ガッタガッタ!
[PR]

by zakiryo | 2009-05-03 04:13 | 70s / Stoner