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Tidal Wave

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2009年 10月 04日

The Almighty / Crank

最近、「Tim Christensen」というキーワードでのアクセスが多くて「なんで今頃?」と思っていたのですが、あれですね、Dizzy Mizz Lizzyが再結成するんですね。最近のTimは渋い曲ばっか作ってるから、再結成したことだしぜひ以前のDizzy~路線でアルバム作って欲しいな。

で、そのDizzy Mizz Lizzyが日本でライブをした時、カップリングとして組まれたのがThe Almightyです。
音楽性はたいして近くもなく、当時は「なんでこの組み合わせなんだろう」と思ったけど、どちらのバンドもその頃が絶頂期だったようには思います。
(The Almightyも、Pete Friesenを含む面子で再結成と聞いたような聞かないような…)

ということで今回は「小型Motorhead」こと、The Almightyについてです。

■ The Almighty / Crank

The Almighty / Crank_b0166043_736146.jpgThe Almightyは89年結成の4人組で、活動当初から4枚目の「Crank」辺りまでは、さっき書いた「小型Motorhead」と称される、馬力型のロックを鳴らすバンドでありました。日本では3rdの「Powertrippin'」辺りから注目を集めるようになった…はず。

本国UKのチャートではその3rdが最も好成績を収めたみたいですが、ここ日本で彼らの地位を確かなものにしたのは、間違いなく次の「Crank」です。終始パンキッシュな楽曲に男臭いボーカルが乗る完璧な出来栄えで、今聴いても発表から15年も経ったと思わせないカッコよさ。

前の「Powertrippin'」も、次の「Just Add Life」も、さらにその次の「The Almighty」も聴いたけど、どれも「Crank」の完成度には遠く及ばない、奇跡のような1枚なのです。「90年代のロックアルバムから好きな10枚を選べ」と言われたら、間違いなくこのアルバムはピックアップする…と思う。

ただ、そこそこの成功を収めたバンドは何を血迷ったのか、次の「Just Add Life」ではブラスを入れた曲をシングルカットしたり、明らかにマイナス方向の路線変更をして低迷期に突入。以後今に至るまで以前の輝きを取り戻すことは出来ていません。(今、「Just Add Life」を改めて聴くとそんなに悪い出来じゃないんだけど、当時は心底ガッカリしたものです)

動画は、そのCrank収録の「Jonestown Mind」を貼っておきますが、もし「お!」と思うところがあれば、こちらも名曲の「Crucify」を合わせてどうぞ。



このThe Almightyには「Over the Edge」って曲がありまして、ライブでこの曲を演奏する時には「It's Time to Over the Edge!」というコールがお約束でした。もちろん、これから演奏する「Over the Edge」という曲の紹介なんですけれども、

It's Time to Over the Edge!(今が限界を超える時だ!)

っていう内省への呼びかけとも取れる訳で、今でもふと思い出す、好きな言葉だったりします。

# by zakiryo | 2009-10-04 07:37 | HM / HR
2009年 09月 21日

Grand Funk Railroad / Live Album

メタルファンにはお馴染みですが、伊藤政則がDJを務めるPowerRockTodayというFM番組があります。もう20年ぐらい?続いているのでしょうか?

で、高校生の頃にそのPowerRockTodayを聴き始めたら「あなたはDeep Purple派?それともLed Zeppelin派?」とかなんとか、当時のブリットポップ抗争をもじったどうしようもない企画が始まり、すぐにFMのスイッチを切りました。

90年代の今、そんな企画はないじゃろ…というのもありましたが、何より…俺はGrand Funk Railroad派なんだよ!!

■ Grand Funk Railroad / Live Album

Grand Funk Railroad / Live Album_b0166043_612136.jpgと、これもまたどうしようもない前置きとなりましたが、今回はGrand Funk Railroadです。
上述のDeep PurpleやLed Zeppelinと同じく70年代に活躍をしたハードロックバンドで、イギリス出身のZeppelinに対して、このGrand Funk Railroadは「アメリカからの回答」と形容・ライバル視されたこともあるそうです。

ただ、ってことは音楽性もLed Zeppelinなの?というとそうではなく、知的というかサイケデリックというか、弛緩した空気もあったLed Zeppelinに対して、Grand Funk Railroadはとにかく押しの一手。ハードロック馬鹿一代的な音楽性でした。(少なくとも途中で売れ線へと音楽性を変えるまでは…)

そんな両者の最終的なキャリアを俯瞰すれば、格差は歴然です。Led Zeppelinは誰でも知ってますけど、Grand Funk Railroadなんて一般の人は知らないだろうし。
(ただ、今でもたまにCDのアルバム帯に「○○登場!」という表現を見ることがありますが、オリジナルはこのGrand Funk Railroadの1st「On Time(邦題:グランドファンクレイルロード登場!)」なので、間接的によく知られている面もあったりします)

Grand Funk Railroadは、途中で「Grand Funk」と改名して音楽性をよりポップに、僕のような初期の音楽性を好む人間からすれば「日和って」一時的な成功を掴む訳ですが、路線変更をすることなく武骨にハードロック路線を続けていれば、きっと解散後の評価は逆に高かったんじゃないかな、とも思います。そう思わせるほど、初期の音楽性はカッコよかった。
「We're An American Band」で全米1位とか2位とかを得たわけだけど、きっと失ったものも大きかったんだと思います。

ということで、今回は初期の「カカッテコイヤー!」なテンション満載のこちら↓をどうぞ。



これから数年後、暢気にLocomotionを歌っていようとは…。

僕にとってGrand Funk Railroadは、70年代ハードロックバンド特有の鬼グルーブを楽しめる貴重なバンドであると同時に、安易に売れ線を目指すのは、結局自分の身を滅ぼすという教訓を示してくれる存在でもあるのでした。



# by zakiryo | 2009-09-21 06:13 | 70s / Stoner
2009年 09月 13日

Insomnium / Above the Weeping World

僕は3度の飯よりメロデス(Melodic Death Metal)が好きな人間なので、Burrn!のレビューで70点とか微妙な点数が付いたアルバムでもいそいそとユニオンに買いに行っていたのですが、一部のメディアによってB級の烙印を押されてしまったバンド・アルバムにも、実際に聴けばIn FlamesとかArch Enemyとかよりも格好いいケースなんて沢山あります。

ということで、「知名度はB級だけど実は格好いいメロデスを紹介しますよ」の1回目で、今回は今月新譜も出たInsomniumです。

■ Insomnium / Above the Weeping World

Insomnium / Above the Weeping World_b0166043_67476.jpgいつかのエントリーで書いた通り、僕はいつも仕事中にiTunesのパーティーシャッフルで適当に音楽を流しているのですが、たまに「うおっ。このリフかっちょいい。誰?」と仕事の手を止めて曲名を確認することがあって、Insomniumはそんなケースで名前を再認識することの多いバンドでもあります。

つまり、それだけ楽曲が格好良くて、反面バンドの個性が弱い。

それこそユニオンのポップとかでは、「Dark Tranqullityタイプ」等々ラベリングをすることで僕のようなオタクを釣り上げようとする訳ですが、このバンドはどこにも属さず、非常に正攻法というかオーソドックスというか、馬鹿正直にメロディアスなリフだけで勝負しようとしているんですよね。きっとこの辺がB!で70点になっちゃう理由なんだろうけど…。

しかしですよ。「メタルコアとメロデスは全然違うんだよ!」というオールドスクールなメロデス原理主義者からすれば、初期メロデス四天王が軒並み失速を続けるなか、ここまで色濃く「Melodic Death Metal」を具現してくれるバンドなんていません。
この不器用なメロデス職人ぶりこそ、今となっては評価されてほしいなあ、と思うのです。

で、今回は3rdアルバム「Above the Weeping World」の冒頭を切り裂く「Mortal Share」の動画をどうぞ。毎度の決め台詞で大変恐縮ですが、この曲↓を聴いて燃えない奴は男じゃねえ!!



ポロシャツでPV撮影に臨んだドラマー以外は完璧。(なんぼなんでも普段着すぎるわ…)

因みに新譜からのシングルも動画がポストされていましたが、変わらずに「これぞメロデス!」な佳曲でした。

********

こんなページランクも付いていないようなブログでリンクしたり動画張ったりしたって、さしたる影響は出せないけど、アンダーグラウンドながらも志を持って活動を続けるアーチストを応援しようと思えば、お金を出して音源を買うことと、リンクを提供することぐらいしかできません。

ただ、その有難さは自分もECサイトを運営するようになって身に染みて感じるし、特に思い入れのあるジャンルでもあるので、今後もこんな感じの紹介を続けていくつもりです。

Melodic Death Metal:Insomnium Official Website

# by zakiryo | 2009-09-13 06:11 | Death / Gothic
2009年 09月 06日

The Perishers / Let There be Morning

住宅街にある僕の事務所には、毎日例えばピザ屋のチラシなんかがしつこくポスティングされていて迷惑だなあ~と思っているのですが、昨日、そんなどうでもいいチラシに混じって「猫探してます!!」という1枚の紙が入っていました。

IT全盛の時代にも関わらず全て手書きで作られたその紙には、行方知れずになってしまったアメリカンショートヘアの猫の写真とともに「大切な、息子のような存在なんです!保護してください!お願いします!」と書かれていました。
デザイン/制作業務をしている身からするとあまりに稚拙な出来だけど、飼い主さんの必死さと猫への愛情は物凄く伝わる内容で、他人事ながらも猫が無事に見つかることを願わずにはいられない、そんな力のあるチラシ。数百枚コンビニでカラーコピー取ったとしても、かなりお金もかかってるだろうし…。

僕の事務所周辺は交通量の多い道路も沢山あるから、とにかく無事に見つかればいいけど…と「もしも」を考えてはThe Perishersの「My Heart」という曲のことを思い出しました。

■ The Perishers / Let There be Morning

The Perishers / Let There be Morning_b0166043_3454640.jpgThe Perishersはスウェーデン出身の4人組で、いかにも北欧という感じの透明で繊細なギターロックを歌っています。朝日を映した「Let There be Morning」のジャケットから想起する、そのままの音って言ってもいいかもしれません。

レーベルもインディーだし、特に人気があるってバンドじゃないと思うのですが(僕も確か、たまたまMy Spaceか何かでサンプルを聴いて購入したような気がする)、鳴る音には繊細ながらも聴き手の意識を引きつける強さがある…と思います。時に世界は悲しいぐらいに無常だけれども、その諦念に立ちながらもなお世界の美しさを歌おうとする、というか。

なかでもこの「My Heart」は、アルバム1.2位を争う、儚くていい曲です。




It's my heart you're stealing
It's my heart you take
It's my heart you're dealing with
And it's my heart you'll break

It's my heart you're taking
It's breaking bit by bit
It's my heart you're dealing with
But you don't know about it

猫であれ人であれ、対象が大事であればあるほど喪失感は大きくて、その喪失感は決して他人とは共有されない。でも、だからこそ世界は美しいんだと思う。


# by zakiryo | 2009-09-06 03:47 | Alternative
2009年 08月 31日

Third Eye Blind / Ursa Major

酒井法子はJohn Fruscianteばりに大復活するんじゃなかろうか、と考えたり考えなかったりの8月はかなり忙しくて、やさぐれた日々に少しでも潤いをと久しぶりにCDを買いました。

1枚は、今は亡きThe Anniversaryが残していたBサイド&レアトラック集「Devil on Our Side」、もう1枚はThird Eye Blindの新譜「Ursa Major」。ということで、今回はThird Eye Blindをピックアップしたいと思います。

■ Third Eye Blind / Ursa Major

Third Eye Blind / Ursa Major_b0166043_217376.jpg97年に発表したセルフタイトルのアルバムからいきなり「Semi Charmed Life」が全米1位を獲得して、(僕のなかで)完全に「一発屋」のラベリングがされていたのですが、そのまま消えていくかと思われた2003年に「Out of the Vein」を発表。

これがめちゃめちゃ良くて、(僕のなかで)俄然注目度が高まったのにまたしても時間が空いて、やっとこさ発表された新譜がこの「Ursa Major」です。しかし「Out of the Vein」から6年も経ったのか…。

音楽性はド直球なアメリカンロックといった感じで、夏の日のドライブには手放せません!というと雰囲気を掴んでもらえるでしょうか。青空に向かって走り出すような、気持ちの良いロック。

今回の「Ursa Major」も「Out of the Vein」とほぼ同路線・同クオリティの良いアルバムだと思います。後半ややしんみりした曲が続くかな?という気もするけど、それはそれで良し。ということで、1stシングルの「Don't Believe a Word」をどうぞ。



しかしながら、実のところ一緒に購入したThe Anniversaryの「Devil on Our Side」は、このアルバムを上回る内容で、特にDisc2は「新譜です」といっても通用するクオリティ。

なかでも、8分半もある「I Believe That the End of the Reign of Terror is Soon Near」は名曲です。演奏技術に長けたバンドではないけど、起伏のある構成に憂いのハーモニーが載る、バンドの良さが凝縮された、本当にいい曲。タイトルからして今の僕には泣けるし。「Soon Near」だといいなあ…。

# by zakiryo | 2009-08-31 02:21 | Alternative